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マンション投資の注意点

2016年7月1日

利回りを重視するなら価格と家賃のバランス感覚が重要!

「この物件を購入しようと思っています。利回りが8%程で

良いと思っているのですが、立地が少し不安です。どう思いますか?」

 

セミナー終了後の個別相談で、E様からこのような相談を持ちかけられました。

マンションのセカンドオピニオンです。

 

検討されていた物件の概要を簡単にご紹介します。(以下、物件A)

 

物件価格:890万円

最寄り駅:東武東上線「北池袋」駅 徒歩10分

築 年 数:1991年築(築24年)

専有面積:17.69㎡

家  賃:61,000円

管理費 :6,900円

修繕積立金:4,200円

 

マイソクには、利回り8.2%と表記されていました。

 

まず、利回りには大きく分けて表面利回りと実質利回りがあります。

【計算方法】

表面利回り:年間家賃収入÷物件価格×100

実質利回り:(年間家賃収入―諸経費)÷物件価格×100

      ※諸経費は管理費・修繕積立金のみで計算。

 

表記されていた利回りは表面利回りですので、実質利回りは6.7%です。

 

ただし、上記価格には仲介手数料が入っていませんので、

仲介手数料353,160円を物件価格に含めると、表面利回りが

7.9%、実質利回りが6.4%に下がります。

 

不動産価格の上昇で、利回りが低下している現在の不動産市況

からみると、高利回り物件と言えるのではないでしょうか。

 

では、本当にこの物件が高利回り物件として、

購入するに値するかを検証してみます。

 

【立地】

最寄りである「北池袋」駅は、2016年「住みたい街ランキング」で

7位にランイクンした「池袋」駅の隣駅ではありますが、1日の

乗降客数が8,921人と少なく、38駅ある東武東上本線内での乗降客数

ランキングは31位。

 

ただし北池袋周辺は、池袋まで徒歩で行けない距離ではありませんので、

徒歩もしくは自転車を利用して池袋まで出る人が多ければ、乗降客数も

その分減ると考えられます。

 

物件Aの場合、「池袋」駅まで徒歩17分と表記されていました。

 

また、「北池袋」駅から徒歩10分というのが気になるところです。

表記が10分ですので、女性であれば10分以上かかることが推測されます。

 

周辺環境についてお伺いしたところ、駅前から住宅街が広がっていて、

スーパーやコンビニが必要最低限あるぐらい、ということでした。

駅からの距離も、体感では10分以上かかるかもしれません。

 

お客様が立地に不安を持つのは頷けます。

 

【設備】

設備が整っているとは言い難く、むしろ敬遠されがちな3点式ユニット

バスや1口電気コンロと、一昔前のお部屋でした。

 

もちろん、オートロックや宅配ボックス、浴室換気乾燥機もありません。

 

全国賃貸住宅新聞で毎年発表されている『単身者向け物件、人気の設備

ランキング2015』では、下記のような結果が出ています。

1位 インターネット無料

2位 エントランスのオートロック

3位 浴室乾燥機

4位 ウォークインクローゼット

5位 ホームセキュリティー

6位 追い炊き機能

7位 TVモニター付きインターフォン

8位 防犯カメラ

9位 システムキッチン

10位 宅配BOX

 

物件Aの設備が、部屋探しをしている人の需要から

離れていることが分かります。

 

安定した不動産運用を考えると、設備面でも不安が拭えません。

 

さて、「立地」「設備」を踏まえたうえで、

61,000円という家賃は妥当なのでしょうか。

 

グループ会社である賃貸管理会社、(株)シイ・アイ・シーに

家賃相場を聞いてみたところ、「約51,000~55,000円が相場ではないか。」

という回答でした。

 

物件Aの家賃と、10,000円~6,000円の差があります。

 

「家賃相場よりも高く貸せているのであれば良いじゃないか。」

と思われるかもしれませんが、入居中の方がその部屋に住み続ける

とは限りませんので、退去後の対応を想定しておく必要があります。

 

物件Aの場合、現状では相場よりも賃料が10,000円~6,000円程度

高く設定されていますので、次の賃貸募集時に家賃を下げることを

想定しておく必要があります。

 

仮に、次の入居者の賃料を6,000円程下げて、55,000円にしたとします。

その場合、表面利回りは7.4%、実質利回りは5.9%。

仲介手数料を入れると表面利回り7.1%、実質利回りが5.6%となります。

 

そもそもこの利回りも、入居者がいてこその利回りです。

 

物件Aの場合、駅からの距離と居室の広さ、設備のトレンドから

外れていることを加味すると、入居者探しに苦戦を強いられる

可能性があります。

 

いくら机上の利回りが優れているとしても、収益をもたらしてくれるのは

借手である入居者です。入居希望者が立地や居室の利便性を含めて、

賃料が妥当と判断しない限り、その部屋はいつまでも空室のままです。

 

収益をもたらし、利回りを創出してくれるのは、

入居者だということを忘れてはいけません。

 

物件によっては、何度か賃貸の入れ替わりがあったにも関わらず、

賃料が新築時からそのままで、空室日数も非常に短い物件もあります。

 

上記のようなことをE様にお伝えし、物件価格が750万円くらいまで下がる

ようであれば、当初の希望利回りは確保できるので、購入しても良いのでは

ないかとアドバイスさせていただきました。

 

後日E様から、「購入を見送ることにした」と連絡があり、

まずは賃料が妥当な物件を探すことから再スタートするとのことでした。

 

利回りは物件を選ぶうえで重要な基準ですが、その利回りのもととなる

賃料は、未来永劫保証されているわけではありません。

 

入居者の目線から、現状の賃料が妥当なのかどうか、

これを見極めることが大切だと思います。

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