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マンション投資の注意点

2016年6月3日

2025年までに耐震化率100%!?オーナーを悩ませる耐震改修

2016年4月14日、熊本を震源とする大きな地震がおきました。

その後本震があり、現在も余震が続いている状況です。

 

消防庁の発表によると5月31日時点で、住宅の全壊が6,990棟、

半壊が20,219棟、一部破損が85,635棟、確認されています。

 

この家屋被害は、建築基準法が改定された1981年以前に

建築された木造家屋に集中している一方、震度7を2回観測

した益城町では、2000年以降に建てられた17棟(全て木造)

が全壊しました。

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、震災発生から間もない

5月上旬には、「新耐震基準の住宅が51棟も全壊した」との報道

がされ、世間に衝撃をあたえました。

 

しかし、日本建築学会が新たに調査をした結果、

全壊したのは51棟ではなく17棟でした。

 

さらに、大きく傾いた全壊家屋を詳しく調査した結果、建物の

構造に対して太さや長さが適切ではない釘が使われていたり、

壁のバランスが悪かったりするなど、設計上の配慮不足や施工

不良等が数多く見つかっています。

 

引き続き原因解明に向け調査がすすめられるそうですので、

今後の動向に注目していきたいと思います。

 

地震大国日本では、このような大きな地震があるたびに

耐震基準が見直されてきました。

 

遡ること大正8年。

耐震基準のもととなる「市街地建物建築法」が施行されましたが、

この時はまだ、地震に関する法律が設けられていませんでした。

 

その後、関東大震災や福井地震などの大きな地震を経験し、

1950年に「市街地建物建築法」を廃止。「建築基準法」が施行されました。

 

これが俗にいう、「旧耐震基準」です。

その後も日本は、大きな地震に見舞われ続けます。

 

1964年に新潟地震、1968年には十勝沖地震が起きました。

 

この十勝沖地震では、1950年に制定された「建築基準法」で建築

されていた鉄筋コンクリート造の建物の柱のせん断破壊の被害が

大きく、3年後の1971年に、木造の基礎と鉄筋コンクリートの

帯筋(おびきん)の基準を強化した「建築基準法改正」が行われました。

 

そして、1981年。宮城県沖地震が発生。

「建築基準法施行令改正」(新耐震基準法)が施行され、何度かの

改正を経て、いまの基準にいたります。

 

そして、世界をリードする日本の耐震技術はこれからまだまだ進化

していくでしょう。法改正も行く度々なく行われると思います。

 

地震のリスクが軽減されるのは大変喜ばしいことですが、

これに頭を悩ませている方も多くいらっしゃいます。

 

旧耐震基準のマンションやビルのオーナーです。

 

なぜか?

旧耐震の建物は、耐震改修の努力義務が課せられているからです。

 

例えば、1953年に完成し63年経ったいまも現存する

「宮益坂アパート(現 宮益坂ビルディング」は、大規模修繕工事

だけでは補えない老朽化や耐震性が問題となり、2012年4月に

建て替えが決議されました。

 

池袋駅のランドマーク「サンシャイン60」は1978年に完成。

現在も展望フロアやスカイレストランは多くの人に利用され、

現役で稼働していますが、2014年3月~2016年9月(予定)

にかけて、鹿島建設が地震対策工事を行っています。

 

宮益坂アパートの建て替え費用は各区分所有者が、サンシャイン60

の対策工事費は株式会社サンシャインシティが捻出します。

 

旧耐震のマンションやアパートも、

同じように耐震改修をする必要があります。

 

少し古いデータになりますが、2013年3月に東京都市整備局が調査

した東京の旧耐震基準で建てられた賃貸マンション12,802棟の

マンションを対象に行った調査によると、耐震改修を実地した

マンションは3.4%と、実に96.6%が未実施なのが現状です。

 

耐震改修を行っていない理由として、「修繕費用がないため」が一番

多く、その他「予定外の出費に対応できない」「余計な出費は避けたい」

など、管理組合で耐震改修の決議が取れないことが大きな原因となっています。

 

この現状を受けて東京都では、(独)住宅金融支援機構と連携した

助成制度を設けるなど、東京都の耐震化率100%に向け様々な施策

を打ち出しています。

 

東京都は全ての建築物の耐震化率を、2025年までに100%にすること

を目標としていますので、旧耐震基準の建物は必ず耐震改修、

もしくは建て替えを迫られる時が来ます。

 

投資用マンションを購入するなら「新耐震」とよく言われますが、

数十年後には「旧耐震」と言われる建物自体が存在しないかもしれません。

 

旧耐震のマンションを所有されている方は耐震改修の準備を、

これから投資用マンションを購入される方は現状を踏まえ、

将来を見据えたうえで検討されることをおすすめします。

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